
日本の常識は世界の常識ではなかった ―ICTで世界中の子どもたちに教育を―(前編)
世界に目を向けた時、人々が抱えるさまざまな問題をICTで解決することはできないだろうか。居ても立ってもいられず、なんの迷いもなく入学を決めてしまいました。
2015/11/18
イノベータコース2年
高原 敏竜さん
芸術系の大学で映像を学んでいた頃から興味は海外に向いていました。卒業後は「どうしたら海外へ行けるのか」とばかり考えていました。しかしお金もなく、コネもない若者。見つけたのが「青年海外協力隊」の募集ポスターでした。配属されたのはセネガルの国立公園局。密猟の防止、伐採の禁止などを国民に教育する事務局です。その教育ビデオを制作する仕事でした。
その後縁あって日本の援助で作られたセネガル職業センターの「情報科」の立ち上げに関わり、プロジェクト調査員として3年間滞在しました。隊員であった当時、ビデオカメラで撮影、編集していた映像は、コンピュータにとって代わられていました。途上国の発展を考え続けたこの日々の中で、情報の大切さ、情報と開発を結びつけていくことの重要さを痛感。その後もICT4Dを実践できる道はないのかと考えていた時、神戸情報大学院大学に出会うことになりました。私としてはもう「これしかない!」という感じでしたね。日本では唯一「ICT4D」を学べる学校であったし、なんと偶然にも私の故郷である神戸にある。もうここしかないでしょうって感じでしたね(笑)。
イノベータコースはすべての授業が英語で行われます。このことにまず高いハードルを感じる方もいらっしゃるかもしれません。実は私も英語は大学生までしか学んでいません。その後はセネガルに滞在していましたが、フランス語圏です。しかし語学は慣れの部分も多い。フランス語は現地で話せるよう努力はしましたが、英語は文法の似ている部分もあり、自然に習得できたので今は全く不自由を感じていません。なにより留学や海外滞在をしているのと同じような環境が日本にいながらイノベータコースで体験できてしまうのが素晴らしいと思いましたね。毎日外国人の同級生と同じ教室で授業を受けること。世界のさまざまな情報をリアルに得られるのです。この環境に2年間もどっぷりと浸かれること。なにものにも代え難い宝でしょう。
ICTによる国際協力や社会イノベーションを学ぶ|イノベーターコース
日本で初めてとなる、ICT技術を活用した社会課題解決を実践できる人材を育成するコース
都心にあるのも魅力です。神戸三宮からほど近く、周囲は異国情緒あふれる環境です。海外の食材を置く店も多くあり、外国人の方も住みやすいのではないでしょうか。キャンパスや学食など大学らしい施設はありませんが、その分、神戸の街全体をキャンパスのように楽しめるのもいいですね。
現在私は50歳になりましたが、まだまだ学びたいことは山のようにあります。人間はいくつになっても学び続けることが大切。学びに限りはありません。卒業後は神戸情報大学院大学で学んでことを生かし、世界中の人々のために活躍できるよう努力を続けていきます。