神戸情報大学院大学(KIC)では、3月から4月を通し、新年度への切り替え時期となり、それまで学生たちが取り組んできた成果を発表する機会が多くありました。
炭谷俊樹学長がメイン講師となる創造性開発演習では、様々な外部講師が講義を持ち、学生たちは独自のアイデアを形にし、技術とクリエイティビティを融合させる方法を学びます。
この講義の最終日、コンゴ民主共和国の料金支払いオフィス数の不足によるサービス低下を解決するため、公共料金支払いサービスの効率化を図るための共通支払いアプリケーションの開発や、妊娠中の女性の健康と胎児の状態を追跡し、出産の予測と産後ケアをサポートすることを目指す、妊娠監視と出産予測のためのウェアラブルデバイスの開発など、自身の出身国の社会課題にフォーカスしたアイデアが最終発表で示されました。
中でも日本の過疎化が進む地域における空き家の問題に対処するためのウェブプラットフォームを提案したグループは、日本の空き家が持つ可能性を海外に紹介し、購入を促進するダイナミックなアイデアを発表、日本特有の社会課題である空き家問題に対し、留学生から様々な意見交換が交わされました。
また、留学生だけでなく、ICTイノベータコースに所属するハロートレーニング生が、この4月からいよいよ修士研究へ挑むための成果発表をオンラインにて実施しました。発表した学生の一人、野沢有加(ICTイノベータコース2023年度秋ハロートレーニング入学)さんは、自身がJICA海外協力隊で赴任していたサモアの教育問題を解決するためのウェブアプリケーションの開発提案を行いました。計算能力を向上させるためのウェブアプリケーション、サモア語と英語のオンライン辞書、観光支援のモバイルツール、家族経営のビジネス支援、画像認識ツールの開発などを提案し、これらのツールをサモアの若い人口にストレスを与えている教育システムの負担の軽減と、学習機会を向上させるために開発したいと抱負を発表しました。
また、この提案はサモアの長期的な成長戦略としてのサモア2040ビジョンを実現するためにも貢献することが期待されており、他の学生の発表も、創造性開発演習でのアイデアのように、長期的な視野で世界中に現存する社会課題の解決と持続性を担保するアプローチとなっています。
4月からはICTプロフェッショナルコースの新たな新入生も迎え、新しい期のスタートと共に、これらの経験は学生たちに実践的な経験として今後の研究活動や、将来のICT分野でリーダーとして活躍する基盤を築いています。KICは今後も幅広い講義を通じて、学生の社会課題解決へ向けたアプローチの支援を行っていきます。