言語スイッチャー

アフガニスタン国民の信頼感を取り戻したい ~ICTを身近な存在に(前編)~

ICT技術と開発途上国

2015/11/18

不正が頻発するアフガニスタンの選挙事情

不正が頻発するアフガニスタンの選挙事情

イノベータコース修士1年
ガフーリ ナスラトゥラ(アフガニスタン)
研究テーマ:透明性が確保できる電子投票システム

アフガニスタンでは選挙の不正が社会における大きな問題になっています。2014年に行われた大統領選挙では、最終的に残った2人の候補者の双方から不正があるという声があがり、大混乱を招きました。その後6ヶ月間にわたって行政がストップし、社会的にも大きな影響が出ました。このような事件を通して、国民の「選挙」に対する信頼感は大きく損なわれました。選挙の結果、新しい政府が誕生しましたが、さまざまな問題が残る結果となりました。私はこの体験を通して、なんとか解決することはできないだろうか、と思うようになりました。

普及が進まないインターネット環境の中で

ICT技術には以前より興味があり、将来はテクノロジーの分野で活躍したいと考えていました。選挙に関する問題に触れた時、国民の信頼を取り戻すために自分にできることは、この課題をICT技術で解決する方法だと確信しました。しかし、アフガニスタンでは誰もがインターネットにアクセスできる環境にはありません。通話のみの電話なら約80パーセントの人が使える状況にありますが、一般の人たちにとってスマートフォンやパソコンは贅沢品です。価格が高くて手を出せないということもありますが、使い方がわからないので普及していない、というのが現状です。これらのハイスペックな機器は政府で働く一部の人か、高学歴の学生くらいしか操ることができません。

オフライン投票で実現

そこで私が考えたのは、電子投票システムを「オフライン」で実現することです。これまで他国で行われている電子投票システムはオンラインでの投票に限られていましたので、通信機器を持っていない人には使えないという弱点がありました。オフラインでの投票が可能になれば、通信インフラの脆弱な開発途上国での利用が可能になります。また、オフライン投票のもうひとつのメリットとして、サイバー攻撃を受けにくく、その危険性を回避することができます。その点でも、より安全なシステムだといえるでしょう。

他国でも利用できる価値あるシステム

これまでのICT技術を利用したシステムは、一部の富裕層など限られた人だけが使うという印象がありました。しかし選挙は一定年齢以上のすべての国民が有権者であり、参加すべきものですから、多くの人にとっても高い関心事だと言えます。この電子投票システムを実現できれば一般の人にとってもICTが身近な存在になり、誰もが利用できる技術として活用することができます。もちろんアフガニスタンに限らず、他の開発途上国でも利用できる価値あるシステムになることでしょう。

日本の復興力をアフガニスタンの人々に伝えたい ~ICTを身近な存在に(後編)~

日本の復興力をアフガニスタンの人々に伝えたい ~ICTを身近な存在に(後編)~

アフガニスタンはいまだ問題が起きており、まだまだ復興には程遠い現状です。しかし日本の素晴らしい発展を目の当たりにした時、故郷の発展を願わずにはいられませんでした。アフガニスタンの人々に「あきらめないこと」の大切さを伝えていきたいと決意を新た

  • お問合わせ
  • 資料請求

人気記事Popular

  • ICTに必要な「技術を越えた」3つの要素とは ~真意を読み取る「人間力」を鍛える

    ICTに必要な「技術を越えた」3つの要素とは ~真意を読み取る「人間力」を鍛える

  • 未来の教育を変える「アイトラッキング」の可能性

    未来の教育を変える「アイトラッキング」の可能性

  • 開発途上国における課題を解決するために -人が幸せになるためのICT教育-(後編)

    開発途上国における課題を解決するために -人が幸せになるためのICT教育-(後編)

  • 学んだ知識を生かしエチオピアで活躍するのが夢 ~情報をICT技術で守り伝えるために(後編)~

    学んだ知識を生かしエチオピアで活躍するのが夢 ~情報をICT技術で守り伝えるために(後編)~

  • 将来の姿は「ICTで仕事をする自分」 ~KICでかなえたSEへの夢(前編)~

    将来の姿は「ICTで仕事をする自分」 ~KICでかなえたSEへの夢(前編)~

学校説明会開催中! 資料請求