2020年9月20日(日)、第19回情報処理学会関西支部大会が開催され、
特別講演、チュートリアルに続き、実施された一般講演で、
神戸情報大学院大学(KIC)ICTプロフェッショナルコース2年生の井上真由香さんが、
「支部大会奨励賞」を受賞いたしました。
一般講演は論文と口頭発表で実施され、全体で94組の応募がありました。
本年は新型コロナウィルス感染拡大を受け、口頭発表はすべてオンラインでの実施となりました。
井上さんは、以前、自身が図書館に勤務していた時に、ロービジョン(弱視)の方が、
大活字本(弱視者にも読みやすいように、文字の大きさや行間等を調整し、大きな活字で組み直した本)を
キャリーバッグで運んでいたところを見て、視覚障害者も健常者と同様に障害を克服して文化的生活ができないか
という課題意識を持っていました。
井上さんは、神戸情報大学院大学(KIC)への入学をきっかけに、この問題をICTで解決することを
研究テーマとし、「視覚障害者に対する文化的情報の提供方法に関する研究~触覚と聴覚による絵画鑑賞の試行~」
というテーマに取り組み、これまで得られた研究成果に対して情報処理学会にて発表を行いました。
視覚障害者の数は年齢とともに増加し、70歳を超えると急激に多くの方が視力を失うという報告や、
中途視覚障害者は従来の生活ができなくなるという事実を前にして、
うつ病やさらには自殺まで考える方も多いという報告がなされています。
井上さんの研究は、神戸情報大学院大学(KIC)が推進する探究実践の手法を応用し、
視覚障害者福祉協会や図書館の方々の協力・支援を得て取り組んでいるテーマであり、
その姿は今後、多くの他の学生たちの励みになることと思われます。