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【研究活動レポート】西山酒造場様「ICT活用による課題解決プロジェクト」

研究活動

2017/6/17

本学は課題解決型プロジェクトによる実践形式の研究活動を推進しています。
藤原研究室では2016年10月から西山酒造場様(丹波市)に、活動フィールドを提供して頂き、酒米の収量向上と栽培の省力化を図るため、ICT活用を進めてきました。
去る6月12日(月)に活動の様子を取材致しましたのでご紹介いたします。

~西山酒造場について~

丹波で160年以上続く老舗酒蔵で、銘柄「小鼓」は高浜虚子による命名。丹波の気候と水にこだわった酒は、国内のみならず海外からも高い評価、多くの支持を集めています。また伝統的な酒造りを継承する一方で、近年では長年の酒造りで培った「米の発酵技術」を活かし、老若男女様々なターゲットに向けた製品を展開しています。中でも女性の視点を取り入れたノンアルコール飲料や健康・美容をテーマにした製品群には、古くから伝統に胡坐をかくことなく常に革新の必要性を唱え、試行錯誤を実践するという西山酒造場の精神が息づいています。

社屋そのものが国の登録有形文化財に認定されているなど、日本文化の伝統が強く香る酒蔵です。

 

ICT活用による課題解決プロジェクトについて~

今回、西山酒造場様より提供頂いた研究フィールドは酒造りの原料である酒米生産部門の農業の部分。現状、酒米の品質には万全の態勢をとってはいるものの、稲の生育にはある程度のムラが発生するため、それを解消することで収量を向上したい。また、ICTを活用することで少しでも農業での人にかかる労力を抑え、革新的業務に注力できるようにしたい(カラダではなくアタマに汗をかく農業)との思いが同社にはあります。

その課題を解決するために、藤原研究室プロジェクトでは、ドローン自動航行による水田撮影と画像解析技術、水位センサモニタリング技術などを使って、

①水田の表面の均平性の向上による生育ムラの軽減

②稲の病虫害の早期発見と発見精度の向上による収量の向上、農薬の削減

③水田の水位管理の自動化による栽培管理の省力化

を実現するためのICTシステムの構築を目標に、現在、実験と検証を繰り返し行っています。また今回の研究では実際にIT企業とも連携し、研究室が構築したプロトタイプを基に、実装に向けてのビジネスにも繋げていく動きをとりはじめています。

西山酒造場 農業担当の櫻庭さん(左)とプロジェクトメンバーの一人、髙畑さん(隣)

自動航行し、稲の育成の様子を監視するドローン

ドローンからの撮影

 

~取材の感想~

六代目 西山周三社長曰く、もし誰かに「日本酒」や「伝統文化」に対してネガティブなイメージがあれば、それを変えていきたい。今はそのためにしたい事が山ほどあり、人材(心に明るさを持った方)も積極的に採用したい。 確かに同社を訪ねたとき、様々なキャリアを持つ多くの女性や若い方々が生き生きと仕事をされているという印象を持ちました。

本学では世の中の課題に目を向け、自らの強みを磨きながら、問題解決に向けて積極的に行動できる人材を「探究型人材」と呼んでいます。これからの社会で本当に力を発揮できる人材像として、西山社長のお話には深く共鳴致しました。

最後にプロジェクトのメンバーのお一人おひとりにおいては、「本物のビジネスの現場で学ぶ」というかけがえのない経験により、着実に探究型人材としての実力を磨かれているように感じました。プロジェクトの成功をお祈り致します。

今回、ご厚意で研究フィールドをご提供頂いた西山酒造場の西山社長(左)と人事担当の青木様(右)

水田での記念撮影(後列中央が藤原教授)

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