神戸情報大学院大学(KIC)は、2025年度JICA課題別研修「ICT案件形成能力向上」を開催し、フィジー、キリバス、ソロモン諸島、トンガ、パラオ、ベリーズ、ドミニカ共和国、エルサルバドル、セントルシア、セントビンセント、ボツワナ、タンザニア、モーリタニアの13カ国から研修員を受け入れました。
この研修は、単なる知識習得ではなく「実践力のあるリーダー育成」を目指し、KIC独自の教育手法「探究実践」を中心に構成。世界各国で社会課題に取り組む人材が集い、ICTを活用した課題解決のための案件形成に挑みました。参加者は各国の行政官を中心として、保健、教育、農業、都市開発などの分野で既に課題に取り組んでいます。研修中は国や文化の枠を超えて、それぞれの視点を持ち寄り、共に学び合う姿が垣間見れました。
「遠く離れた国同士でも、ICTで解決できる課題には共通点がある。KICでそれを見つけられたことが大きな財産です」と語ったのは、アフリカからの参加者。多国籍での議論は、次世代の国際協力の在り方を示唆しています。
本研修では、学外フィールドワークも重視されます。兵庫県神河町にて、地域住民との対話や行政の取組を視察。人口減少、高齢化、デジタル活用といった地域課題の現場を目の当たりにし、参加者は「自国に置き換えた場合の施策設計」に思いを巡らせました。こうした体験は、単なる視察を超えた「実社会との接点」であり、帰国後の政策提案やプロジェクト実施に直結する学びです。
本研修のゴールは、日本で得た知見を各国で活かし、具体的なアクションへとつなげることです。研修最終日には、各国の課題とICTの活用方法を盛り込んだ「アクションプラン」を発表。参加者は「帰国後すぐに省庁や自治体に提案し、地域で実装したい」と意気込みを語りました。
今回の研修に参加した研修員たちのように、今後もKICは学生の知識と経験を世界で活かす第一歩を、応援します。