神戸情報大学院大学(KIC)では、ICTプロフェッショナルコースの2年生が2025年3月の修了を目前に控え、研究活動の中間審査発表会にて自身の研究の進捗を報告しました。この発表会は、学生たちが研究背景、課題、解決策、実施方法、検証結果などを発表し、質疑応答を通じて研究の精度向上を図る重要な機会です。
ICTプロフェッショナルコース2年生の樋口敬子さんは、パソコンやディスプレイを長時間使用することで心身に悪影響を及ぼす「VDT症候群」の予防に着目し、健康的な生活習慣を促進するウェブサイトの開発を行いました。
ナッジ理論という、ゴミ箱に遊び心を加えてゴミを捨てる行動を誘導する方法のように、強制することなく自然に望ましい行動を取らせる仕組みや、「If Then Plan」という「特定の状況(If)」に応じて「特定の行動(Then)」を計画することで、行動を習慣化する手法を用い、シンプルな操作性を重視しながら、リマインドメールでストレッチを促すなど、簡単に健康的な行動を実践できる工夫をウェブサイトに実装しています。サイト上のコンテンツは医療従事者に監修を依頼し、フィードバックを重ねて改良してきました。
同じくICTプロフェッショナルコース2年生の廣畑 愛さんは、子どもの作品をデジタル化して保存・管理し、家族で楽しむための新しいサービス「artpholio」の開発に取り組んでいます。
子どもが持ち帰る絵や工作は、保管場所や管理が難しく、時間とともに劣化するという問題や、作品そのものだけでなく、制作時の思いや背景を含めた「思い出」として記録したいという声もあります。「artpholio」は、スマホで作品をスキャンしてデジタルアーカイブとして保存。親子で楽しめるUI/UXを採用し、3Dオブジェクトの表示や音声メモ機能を使って、作品に「命を吹き込む」ような体験を提供できるアプリとして、現在プロトタイプを開発中です。
その他にも、AI が見守る馬の安全と厩務員の働きやすい環境構築、晴眼者と視覚障がい者による自己肯定感向上の共創に関する研究、 サモアの教育セクターにおけるICT活用を支援する研究など、発表した学生全てが国内外の様々な社会課題を探究実践を通し、2025年3月の修了に向け、様々な解決方法の提案を行いました。
2025年2月には修了発表会も控えています。学生皆さんの研究の飛躍が楽しみです。