10月4日、創造性開発演習のグループ発表会がオンラインにて開催されました。
本学では、IT技術を活用して社会課題を解決するリーダーに必要なスキルや態度を身につけるカリキュラムを提供していますが、その核となる科目が炭谷学長が自ら担当する「探究実践演習」と「創造性開発演習」です。「探究実践演習」では、自ら興味のある社会課題を選び、解決策の仮説を作成し、これをリサーチで検証して仮説をブラッシュアップしていく手法を学びます。「創造性開発演習」では、特に解決策の仮説作成において、より創造的、イノベーティブなアイデアを生み出すための考え方を学び、実例に応用します。まず現状分析では、顧客や現場を観察する「観察力」、現状を当たり前に捉えるのではなく、本質的な意味からあるべき姿を問い直す「質問力」を身につけます。解決策の立案では自分の知らない分野にも目を向けて視野を広げ、その情報と課題の接点から新しい解決策を思いつく「関連する力」も練習します。
サービスデザインワークショップを行い、今年度はゲストの北村和香子先生の指導の元、コロナ禍でより食を楽しむさまざまなアイデアを検討し、グループごとに実験しました。お子さんのいる母親が多くいたチームでは、今までは家族のための食事作りになっており、自分が余裕を持って楽しむことができていなかったという認識のもと、自分も食を楽しめるための様々なアイデア出しを行なって実践してみました。例えばお子さんに食事作りを手伝ってもらうととともに、自分は自分の好きな食事を作ることで、食べることがとても豊かで楽しかったという嬉しい報告もありました。これらをインプットとして、最後の3日間の授業で、グループに分かれ、学んだ手法を応用する課題に取り組みました。
この日はその成果を発表するプレゼンの日で、教授陣も集まって行われました。
創造性開発演習では課題解決策のアイデアだけでなく、プレゼンもクリエイティブに行うことを目指しています。教室で行なっていた時は、新しく考えたサービスの使用前・使用後の様子を面白おかしく寸劇で演じるといったプレゼンもありました。今年はオンライン(ZOOM)での授業なので、オンラインの特徴を生かしたクリエイティブなプレゼンがみられました。
例えば、コロナ禍で地方の良さを楽しむ工夫として「バーチャル田舎」を検討したグループは、プレゼン視聴者におにぎりを持参してもらい、自然豊かな場所でゆっくり食べる様子をナレーションとともに動画で流し、あたかもそこで食べているような不思議な感覚が得られました。
また、日本の会議が長くて非生産的すぎるという課題に取り組んだグループは上下関係が発言を制限する点に着目し、アバターを使うと言うアイデアを出し、実際にプレゼン自体をアバターを使って行いました。大学院のプレゼンをアバターで行うとは、なんと大胆な!
炭谷学長は最初アバターとは気づかず、「めちゃ凝った変装してるんですごいなあと思った。ところで誰かわからんかったから、名前言ってね」との感想でした。
■各チームの発表テーマ一覧
Aチーム バーチャル田舎
AI・VRを活用した田舎体験
Bチーム KDN
今日は・どこで・何食べる。バーチャルで食のバリエーションを増やして健康的な食事へ
Cチーム 須磨―トシティー構想
須磨海外などで出たゴミを、ICT技術を用いて分別し、「芸術」「エネルギー」「食」で再利用・再活用
Dチーム Dチーム株式会社のミーティング方式
アバターを用いて会議の問題を解決
Eチーム:子供の貧困×ドラえもん
親子の架け橋となるサポートロボットにより、良好な親子関係の構築
毎年様々なアイデアと工夫がされる楽しい「創造性開発演習」、オンラインという制限の中で、より新しい試みが実現でき、学生の創造性に感心する内容でした。