研究計画発表会~ICTイノベータコース M2学生が社会課題解決に挑む~
2025年10月、神戸情報大学院大学(KIC)のICTイノベータコース(10月入学、使用言語:英語)に在籍するM2の学生たちによる「研究計画発表会」が開催されました。各学生が、自国や関心分野における社会課題を見つめ、ICTを活用した解決策を構想。国際色豊かな視点と実践的なアプローチが光るプレゼンテーションとなりました。
今回はその中から、特にKICの理念である「ICTを使って社会課題を解決する」にふさわしい研究を紹介します。
スマホとAIで糖尿病を予防。ミャンマー発の健康アプリ
ミャンマー出身のYin Yin May Phooさんが提案したのは、糖尿病リスクを早期に把握し、生活改善につなげるスマートフォンアプリの開発です。都市部を中心に糖尿病患者が急増するミャンマーでは、食生活の乱れや運動不足、早期発見の遅れが課題となっております。PhooさんはAIを活用して、ユーザーの生活習慣や体調データからリスクを予測し、チャットボットによる食事・運動のアドバイスを提供する仕組みを設計しました。将来的にはスマートウォッチと連携し、リアルタイムでの健康モニタリングも可能になる予定です。
離島の妊産婦にICTで安心を。インドネシアで進む遠隔医療連携
Iさん(日本)は、インドネシアの離島地域における妊産婦の死亡率の高さに注目。医師不足と物理的距離がもたらす医療アクセスの課題に対し、妊婦健診データの一元管理や遠隔医療連携を可能にするICTコミュニケーションツールを構築しようとしています。現地の医療情報基盤「SATUSEHAT」と連携し、保健師や助産師と都市部の医師をつなぐことで、リスクの高い妊婦を早期に把握し、必要な医療を届けることを目指しています。母子の命を守るためのICT活用に、大きな期待が寄せられています。
KICが育てる、課題解決型ICT人材
KICでは「現場に根ざした課題解決力」を重視し、技術だけでなく「人のために使う力」を磨く教育に取り組んでいます。今回の研究計画発表は、学生たちが実社会に踏み出す第一歩でした。今後はプロトタイプ開発や現地実証を通じて、さらに現実的なソリューションへと進化していきます。

