杉山郁夫特任教授
教員情報

杉山郁夫特任教授
Sugiyama, Ikuo

- 担当コース
- ICTイノベータコース
- プロフィール
名古屋大学大学院環境学研究科都市環境工学専攻 博士課程修了 博士(環境学)
日建設計、日建設計シビル取締役、JR東海コンサルタンツ設計アドバイザー
神戸大学客員教授、大阪大学客員教授を経て現職
a2ee株式会社 取締役CTO
株式会社quality design 研究所 代表取締役
学生へのメッセージ
60歳代で技術開発を中心とする企業を立ち上げました。AIは現在、研究開発のみならず、複雑なプログラム設計を行ううえでも不可欠な基盤技術となっています。日々の業務においても、AIは創造性と生産性を拡張する重要なパートナーとして機能しています。20歳前半の学生の皆さんはWindows95以降に生まれ、成長の過程そのものがデジタル技術とAIの進化の歴史と重なっています。LLM(大規模言語モデル)が姿を見せ始めた2017年、この世代は中高生であり、技術の飛躍とともに育ってきました。現在のGPT、BERT、Gemini、LLaMAといった先進的モデルは、人間の自然言語を理解するだけでなく、画像・音楽・メディアまで統合的に生成する能力を備えています。 一方で、「AIが人間の職を奪う」という社会的懸念も根強く、将来的な職業構造の変化への不安が語られることも少なくありません。しかし、生成AIの内部原理を理解すると、それが必ずしも人間を代替する技術ではなく、専門知識のない人でも一定水準の成果を得られるよう“補助する”技術であることが分かります。人間の判断力、複雑な状況理解、倫理的洞察、創造的発想といった領域は依然としてAIが到達し得ない重要な価値です。つまり、人間とAIは競合関係ではなく、相互補完的な協働関係にあります。AIは計算能力や大規模データ処理で人間を支え、人間は文脈判断や価値創造の面でAIを導きます。この協働が未来の社会・産業を形成していく鍵となるでしょう。 神戸情報大学院大学は、情報技術の修得と実践を軸に、生成AIと共生しながら社会のウェルビーイング向上に寄与できる高度専門職人材を育成します。技術に対する洞察力と、人間中心の視座を併せ持つリーダーの育成こそ、本学が目指す教育使命です。主な研究テーマ
- 専門は都市とインフラ(infrastructure)の計画と設計です。研究テーマは、1)well-being指標の体系化、2)空間快適性の定量化、3)利便性とセキュリティ確保のための個人識別、4)言語を介さない身体と精神の状態分析、5)文章による文章情報の抽出、です。なお、上記2)~4)はAIによる画像認識技術、5)はAIによる自然言語処理技術に基づきます。これらはすべて1)におけるwell-beingの向上をめざします。
論文
- 日本工学アカデミー 科学技術イノベーション 2050 委員会 (STI2050) 分科会1主査,科学技術イノベーション2050委員会 (STI2050委員会)報告書 第五章主査(2022)
- 交通科学研究会 研究発表会,深層学習を用いた歩行者の表情認識に基づく快適性の評価手法に関する研究(2020)
- 林良嗣(元世界交通学会会長)ほか共著:『都市のクオリティ・ストック 土地利用・緑地・交通の統合戦略』鹿島出版会(2009)日本地域学会著作賞受賞
- 秋山宏(元日本建築学会長)ほか共著:『緑地・公共空間と都市建築』日本建築学会創立120周年記念 日本建築学会叢書2 (2006)