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「人の思い」をかなえるために ~ICT技術を学ぶ意義とその価値(前編)~

ICT教育

2015/11/18

有意義で充実した2年間を過ごす

有意義で充実した2年間を過ごす

講師 吉田 博哉

学生には「なにを学びたいのか」「どんな技術を身につけたいのか」を考えてもらうことから始めます。せっかくKICに入学したのだから、有意義な2年間を過ごしてもらいたい。2年間で何をやるべきかを見据え、研究テーマを決めます。もちろん惜しみなく助言はしますが、決して教員からの押しつけにならないように心がけています。

ICT技術で「なにをするのか」が重要

多くの学生は技術面を重視しがちです。例えば「情報処理」の技術を使ってなにかしたい、と相談に来るのですが、情報処理技術を使って「なにをするのか」ということころまで考えが及んでいないことが多いのです。本来は、実際に不便さを感じていることや困っていることなど、解決したい課題が先にあり、ここで初めてICT技術を使って解決することを考えるべきなのです。「技術」を先に考えるのではなく、あくまでも「人」が何を求めているのか、を考える。「人の思い」があってこそ必要とされるのがICT技術だということを、忘れないでほしいと思います。

車椅子利用者への道案内をICT技術で

現在私の研究室の学生が、非常に興味深い研究をしています。車椅子を利用する方への道案内をICT技術でできないか、というテーマです。バリアフリーを案内するマップはすでに整備されており、どの施設の入り口にスロープがあるか、とかエレベーターが完備されているか、などは分かるようになっています。しかし、道の途中で現れる歩道の段差や坂道などはなかなか認識できません。そこで、それらの情報を何らかの形で車椅子利用者に知らせることはできないだろうか、と考えました。さらに、車椅子とスマートフォンを同時に操作する事が難しいので、「スマートグラス」というメガネ型のデバイスを使用することを検討しています。実際の道路に重なるように、少し先の段差や坂道の情報を映像として表示するという大変興味深い仕組みに取り組んでいます。

研究は「独りよがり」であってはならない

しかしあくまでも研究として進めているこの技術が、果たして本当に車椅子利用者の方にとって有効なのでしょうか。私は、研究というものは、決して独りよがりのものであってはならない、ということをいつも学生にアドバイスしています。大切なのは「現場の声」を聞くことです。実際に車椅子利用者の方にインタビューをして意見を聞いて、それを参考に、最終的にこのシステムを作るべきなのかを判断してほしいと思っています。本当に大切なのは、システムは「誰のために」作るのか、ということなのです。

学生に何を与えられるのか ~ICT技術を学ぶ意義とその価値(後編)~

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大学には、失敗を糧としてやり直せる場所が用意されています。失敗を恐れず、やりたいことにはどんどんチャレンジしてほしい。KICにはそんな環境が整っているのです。

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