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公共交通機関でICTが活躍する可能性 ~テクノロジーを誰もが利用できる世の中に(前編)~

ICT技術と開発途上国

2015/11/18

アフガニスタンでは「コンピュータ」は贅沢品

アフガニスタンでは「コンピュータ」は贅沢品

HASSANI, Ehsanullah: Electronic Payment for Public Transport in Kabul
ハサーニ エサヌラ(アフガニスタン)
研究テーマ:カブールの公共交通機関における電子マネーシステム

中学生の頃からコンピュータに興味がありましたが、アフガニスタンではコンピュータは贅沢品で、簡単に買えるものではありません。一方で、電話とSMSの機能しか備えていないフィーチャーホンは贅沢品ではなく、生活必需品とみなされています。コンピュータのような高いテクノロジーを持つ機械も、上流階級の人々だけではなく一般の人も気軽に使える世の中になってほしいという思いがありました。大学在学中もコンピュータを専攻し、ICTの技術を学ぶ中で「情報通信技術を生かした社会開発、いわゆるICT4D(Information and Communication Technologies for Developmentを学んでみたいという思いが募っていました。

銀行もポピュラーな存在ではない

アフガニスタンでは「銀行」の存在がそれほどポピュラーではありません。日本では自分の銀行口座を持つことは当たり前になっていますが、アフガニスタンではそうではありません。国民の多くが銀行を信頼していないことも理由のひとつですが、銀行口座を開くのにお金がかかることも原因です。便利なシステムは一部の富裕層しか利用できないという状況です。これは大きな問題といえるでしょう。そこで私は、ICT技術を富裕層だけでなく一般の人にも活用してもらう方法はないだろうか、と考えていました。

非効率なカブールの交通システムを解決したい

アフガニスタンの首都、カブールでは公共交通機関においても問題が山積みです。そもそも、交通機関の圧倒的な不足というのが挙げられます。その根源的な問題を解決するには莫大な資金が必要になってしまい、とても私の力だけでは解決できません。そこで「電子マネー」が公共交通機関の問題を解決できるのではないかと考えました。カブールにはバスやタクシーといった交通機関はいくつもあります。しかしこれらは効率的に利用されていません。例えばバスについては、運賃を回収する方法が確立していないのです。いまだに現金を運転手が受け取り、お釣りを返すというアナログなシステムです。コインを用意するのも、お釣りを渡すのにも手間取っていて、大変な時間がかかります。その間、バスはストップしたままです。時間の無駄はもちろんですが、エンジンをかけっぱなしにしているためにガソリンも無駄になっているのです。

「電車に乗ること」を楽しむ日本の文化

日本では、誰もが電車に乗ることを楽しんでいるように感じます。はじめはそれがとても不思議で驚きました。なぜなら、カブールの多くの住民の間では、交通機関を利用することは頭痛のタネであり、大きなストレスの元になっているからです。この違いは大変衝撃的でしたね。ICOCAやPiTaPaなどの電子マネーが交通機関で広く普及している日本のシステムには学ぶことはとても多い。日本で暮らしていること自体が学びそのものです。

夢は「電子マネー」をアフガニスタン中に普及させること ~テクノロジーを誰もが利用できる世の中に(後編)~

夢は「電子マネー」をアフガニスタン中に普及させること ~テクノロジーを誰もが利用できる世の中に(後編)~

自分で開発したカードを、日本の「ICOCA」のようにアフガニスタン中に普及させたいという大きな夢を追いかけます。

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